おちくぼ6巻のネタバレ&感想!北の方の悪行を許せない道頼とあこきは・・
この記事では「おちくぼ」第6巻(最終巻)のネタバレ&感想をお届けいたします。
ようやく愛する姫と結ばれ幸せな結婚生活を送る道頼だったが、これまで姫を散々苦しめてきた中納言家の北の方を許すことは出来ず、ことあるごとに意趣返しをして北の方に恥をかかせる。
しかしなおも反省する様子など微塵もない北の方は、姫が所有する三条邸を勝手に我が物にしようと改築を始める。
怒り心頭に発した道頼とあこきは姫の思い出の邸を守るためある計画を考えて…?!
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「おちくぼ」第6巻(最終巻)のネタバレ
自分に四の君を嫁がせようと画策する北の方に対し、従弟の基教を断りの使者として遣わした道頼。
悔しがる北の方を想像してほくそ笑むあこきだが、報告に戻った基教から四の君に一目惚れされて結婚することになったと聞いて意外な展開に道頼共々驚くが、事実を知った時の北の方の愕然とする顔を思えばむしろ胸のすく思いだった。
中納言邸で行われた露顕の儀で婿となったのが道頼ではなく基教だったことを知った北の方は激怒するが、基教は道頼との打合せ通り「縁談を耳にした基教が以前から四の君に通っていたことを打ち明けたところ道頼は快く身を引いた」と説明し、今後は婿として中納言家に誠意を尽くすと宣言する。
一方道頼は落窪の姫に基教と四の君の結婚について話し、四の君が意に添わぬ婚儀をしたのではと心配する姫に、一目惚れしたのは四の君で二人はとても幸せに暮らしていることを伝える。
春の除目での昇進祝いに道頼の邸を訪れた三郎君は、北の方と喧嘩をした四の君が家を出て基教のもとに身を寄せていることを報告する。
四の君と基教の結婚で、中納言は寝込み、三の君の婿である蔵人少将は世間の目を気にして通う足が遠のいていた。
それもこれも基教と結婚したことが原因と、北の方にきつく当たられ激怒した四の君が家出をしたのだった。
寝込んでいるという中納言を心配する姫の人の良さに、道頼もあこきも歯痒い思いを隠せないが、たった一人の父を想う健気な姫に何も言えなくなる。
三郎君は姫に、中納言が寝込んでいるのは宮中でからかわれるのが嫌だからで、内心は姫のことを心配していたと伝える。
中納言家では蔵人少将の夜離れや四の君の家出に苛立つ北の方が厄払いのために清水寺に参詣することに。
しかし一台の牛車に大人数で乗ったため、歩みが遅く混雑を招いていた。
時を同じくして道頼も姫と共に清水寺に向かっていたが、混雑の原因が中納言家の北の方の車と知った従者が道を譲るよう進言すると地位を嵩に着た中納言家との間で小競り合いが起きてしまう。
この騒ぎで牛車が故障した北の方達を追い越した道頼は、刻限になっても到着しない中納言家が予約していた局に泊まることになり、日が暮れた頃にようやく清水寺に着いた北の方は局を道頼に横取りされたことに憤りつつも、周囲の目を気にしてやむなく狭い車中で一夜を過ごすことになる。
翌朝早々に出立する北の方だが道頼の車に追いつかれてしまい、煮えくり返る腹を抑えて道を譲る。
しかし今まで姫にしてきた仕打ちを許せない道頼は、北の方を挑発するように「懲りたか?」と伝言を送り、それを知った姫は気分を悪くして倒れてしまうが、姫が懐妊していると知った道頼は大喜びする。
一方道頼に嫌がらせをされた北の方は邸の方角が悪いせいだと言い出し、落窪の君が相続した三条の邸を使うことを勝手に決めて方角や日取りを占わせる。
落窪の姫を想い胸を痛める中納言だったが、押しの強い妻には何も言えないままだった。
中納言家の北の方が三条邸を我が物顔で改築していることが道頼と姫の耳にも届く。
姫は古い小袖を持ってくるようあこきに頼み、襟に縫い込んだ三条邸の地券を取り出して道頼に見せる。
姫の思い出の三条邸を手に入れることを提案する道頼は、中納言家には自分が話をすると言って姫を納得させた。
そして一年が経ったある日、道頼を訪ねて来た三郎君が、中納言家の引越が10日後に決まったことを知らせる。
いよいよだと身構える道頼とあこきのもとに、若君を連れた姫がやって来て、道頼は姫に三条邸への移転の日取りを伝える。
引越の日、北の方は任地から呼び寄せた長男や次男と共に新居へ向かうが、三条邸を目前にして道頼に邸を乗っ取られたことを知り激怒する。
しかし地券は道頼側にあり手出しすることは出来ず、怒りが収まらない北の方は邸の前で騒ぎを起こす。
横取りはやり過ぎだと言う姫の言葉を聞いたあこきは、これまで北の方がしてきた仕打ちに比べれば邸の一つや二つ横取りしてもまだ足らないと怒りを爆発させる。
仕返しはいけないと諭されても一番身近で姫の苦境を見てきたあこきには、どうしても北の方を許すことは出来なかった。
道頼もまたあこきと思いを同じくし、もし大切な人が同じ目に遭わされたらどう思うかと姫に問うと、姫は道頼やあこきがこれほどまでに北の方に怒りを覚えるのは自分を大切に思うからだと知る。
二人の気持ちを理解した姫は、以前北の方に渡された古びた鏡箱を使おうと思い立つ。
新居の前に居座っていた北の方の牛車に、道頼の北の方から使いが届き、不審に思いながらも三条邸に足を踏み入れる北の方。
そこへ道頼の北の方付きの女房としてあこきが現れ、中納言の北の方に鏡箱を返す。
その中に入っていた文を見た北の方は、落窪の手蹟だと気づき、道頼の北の方が落窪その人であることに激昂してあこきに詰め寄る。
あこきは夫の中納言や、息子娘達の前で、北の方が落窪の姫にしてきた数々の仕打ちを明らかにする。
それを知った息子達はあまりにも酷い母の所業に怒り、父である中納言は姫が生きていたことに安堵して涙を流した。
そこへ姫の手を引いた道頼が現れ、中納言にこれまでの非礼を詫びるが、姫の窮状を知り怒りが抑えられなかったことを訴えるも、自分を諫める姫の気持ちを受け入れ、中納言家に三条邸を譲ると伝える。
姫が幸せに暮らしていたこと知った中納言は喜び、北の方が姫をつらい目に遭わせていたことを知りながら放置していたことを謝罪する。
姫と和解した中納言を見て疎外感を抱いた北の方は感情を爆発させ、無神経な中納言を責め立てる。
その見幕に慌てふためく中納言がおろおろと北の方を宥めていると、空気を読んだ姫に目配せされた道頼があこきに命じて全員を宴席に移動させた。
中納言は道頼と姫の間に生まれた若君を抱いて目を細め、四の君と基教の娘にも初めて対面する。
中納言家の人々を恨んでいたあこきだったが、姫が北の方にひと泡吹かせたことで一応は満足し、姫の言うとおりこれからは惟成と仲むつまじく過ごすことを誓った。
道頼と姫も幸せな毎日を大切にして寄り添って生きていこうと約束し、笑顔を見せ合うのだった。
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「おちくぼ」第6巻(最終巻)の感想
ようやく姫と結婚して幸せな暮らしを送る道頼が、姫を苛めてきた北の方に様々な意趣返しをする第6巻、堂々の完結編です!
中納言の亡き先妻に似て美しく才長けた姫を憎らしく思い、ずっと継子苛めをしてきた北の方。
様々な衣装や調度品を奪い、邸の狭い一室に閉じ込めて、挙げ句の果てには身分も年齢もかけ離れた典薬助と結婚させようとまでした仕打ちを、道頼もあこきも許すことはできませんでした。
そこで清水寺詣りや賀茂祭で北の方に恥をかかせ、三条邸を改築して引っ越そうとした北の方の鼻を明かそうと先に転居してしまったのです。
もともと三条邸は姫が亡き母から相続したもので、強欲な継母に奪われないよう自らの小袖に地券を縫い込んでまで守り通した思い出の邸でした。
北の方はそれを勝手に改築して我が物にしようとしたのですから、地券を盾に所有権を主張されればぐうの音も出るはずがないのです。
道頼とあこきにしてみればこのくらいの報復は当然との思いでしたが、優しい姫は二人の行いを喜びはしませんでした。
自分を苛めた継母とは言え、やり過ぎだと思ったこともありますし、仕返しを繰り返すのは悲しいことだと思っていたのでしょうね。
しかし道頼に、大切な人に酷いことをされたらどう思うかと問われた姫は、道頼とあこきが自分を大切に思うからこそ北の方を憎むことを理解し、自分なりの方法で一度だけ北の方に意趣返しをしてこの負のループを終わらせようとします。
残念ながら最後まで北の方からは謝罪の言葉がありませんでしたが、道頼に心から愛され、あこきや惟成らと幸せな日々を送っている姫は、過去よりも今と未来を大切にしたいと思っていたのでもはや北の方には拘泥しませんでした。
道頼という最高の伴侶を得た姫はつらい思いに耐えてきた分だけ、きっと幸せな人生を送ることでしょう。
ハッピーエンドのラストシーンで明るい笑顔を見せた二人を心から祝福したいと思います!
感想は以上となります。
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以上で「おちくぼ」第6巻(最終巻)のネタバレ・感想を終わらせていただきます。
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